ビルトインの特別な要素
コンポーネントではありません
<component>
と <slot>
と <template>
はコンポーネントのような機能であり、テンプレート構文の一部です。これらは真のコンポーネントではなく、テンプレートのコンパイル時に取り除かれます。そのため、テンプレート内では慣習的に小文字で記述されます。
<component>
動的コンポーネントや動的な要素をレンダリングするための「メタ・コンポーネント」です。
props
tsinterface DynamicComponentProps { is: string | Component }
詳細
実際にレンダリングするコンポーネントは
is
props によって決定されます。is
が文字列の場合、HTML タグ名か、コンポーネントの登録名となります。また、
is
はコンポーネントの定義に直接バインドもできます。
例
登録名によるコンポーネントのレンダリング(Options API):
vue<script> import Foo from './Foo.vue' import Bar from './Bar.vue' export default { components: { Foo, Bar }, data() { return { view: 'Foo' } } } </script> <template> <component :is="view" /> </template>
定義によるコンポーネントのレンダリング(
<script setup>
の Composition API):vue<script setup> import Foo from './Foo.vue' import Bar from './Bar.vue' </script> <template> <component :is="Math.random() > 0.5 ? Foo : Bar" /> </template>
HTML 要素のレンダリング:
template<component :is="href ? 'a' : 'span'"></component>
ビルトインのコンポーネントはすべて
is
に渡すことができますが、名前で渡したい場合は登録しなければなりません。例えば:vue<script> import { Transition, TransitionGroup } from 'vue' export default { components: { Transition, TransitionGroup } } </script> <template> <component :is="isGroup ? 'TransitionGroup' : 'Transition'"> ... </component> </template>
例えば
<script setup>
などで、コンポーネント名ではなく、コンポーネント自体をis
に渡す場合は、登録は必要ありません。もし
v-model
が<component>
タグで使用された場合、テンプレートコンパイラーは他のコンポーネントと同じように、modelValue
props とupdate:modelValue
イベントリスナーに展開されます。しかし、これは<input>
や<select>
のようなネイティブ HTML 要素とは互換性がありません。そのため、動的に生成されるネイティブ要素に対してv-model
を使用しても動作しません:vue<script setup> import { ref } from 'vue' const tag = ref('input') const username = ref('') </script> <template> <!-- 'input' はネイティブ HTML 要素なので、動作しません --> <component :is="tag" v-model="username" /> </template>
実際のアプリケーションでは、ネイティブのフォームフィールドはコンポーネントでラップされるのが一般的なので、このようなエッジケースはあまりありません。もし、ネイティブ要素を直接使用する必要がある場合は、
v-model
を属性とイベントに手動で分割できます。参照 動的コンポーネント
<slot>
テンプレート内でスロットコンテンツのアウトレットを表します。
props
tsinterface SlotProps { /** * <slot> に渡されたすべての props は、スコープ付き * スロットの引数として渡されます */ [key: string]: any /** * スロット名を指定するために予約済み。 */ name?: string }
詳細
<slot>
要素ではname
属性を使用してスロット名を指定できます。name
が指定されない場合は、デフォルトのスロットがレンダリングされます。slot 要素に渡された追加の属性は、親で定義されたスコープ付きスロットにスロット props として渡されます。この要素そのものは、一致したスロットの内容に置き換えられます。
Vue テンプレートの
<slot>
要素は JavaScript にコンパイルされているので、ネイティブの<slot>
要素と混同しないように注意してください。
<template>
DOM に要素をレンダリングせずに組み込みディレクティブを使用したい場合、<template>
タグをプレースホルダーとして使用します。
詳細
<template>
の特別な処理は、以下のディレクティブと一緒に使われた場合のみ発生します:v-if
、v-else-if
、またはv-else
v-for
v-slot
これらのディレクティブが存在しない場合は、代わりにネイティブの
<template>
要素としてレンダリングされます。v-for
を持つ<template>
はkey
属性を持たせることができます。それ以外の属性やディレクティブは、対応する要素がなければ意味をなさないので、すべて破棄されます。単一ファイルコンポーネントは、テンプレート全体をラップするためにトップレベルの
<template>
タグを使用します。この使い方は、上記で説明した<template>
の使い方とは別のものです。このトップレベルタグはテンプレート自体の一部ではなく、ディレクティブのようなテンプレートの構文もサポートしていません。参照